【コラム】DXのROIが不安な社長様へ。その「億単位の投資」イメージ、今すぐ捨ててください。

データが示す「100万円未満」のDXと、9割が満足する費用対効果の”現実”

「AIだ、DXだ、と世間は騒がしいが、ウチのような町工場には関係ない」 「ブリヂストンやコマツのような『壮大なDX』なんて、億単位の投資だろう? ROIが合うわけがない」

社長様、もし本気でそう思われているとしたら、非常にもったいない「誤解」をされています。 なぜなら、その「ROI不安」は、メディアが報じる大手企業の華々しい成功事例という「情報の壁」によって作られた、“想像上の恐怖”に過ぎないからです。

この記事は、中小企業のDXステップをまとめた『DX育成マップ』の【階層:基礎】に該当する内容です。 DXの全体像や、経営者が知るべき基礎知識から確認したい方は、まずはこちらのマップをご覧ください。 → KSP総合研究所の「DX育成マップ」を見てみる

なぜ社長の「ROI不安」は生まれるのか?

答えは単純です。私たちが目にするDX事例は、あまりにも「壮大すぎる」からです。

大手企業のDX(例:ブリヂストン)

  • 目的: サプライチェーン「全体」の最適化
  • 手段: AI、IoT、ビッグデータを駆使
  • 規模: 数億〜数十億円

これを見て、従業員数十名の社長様が「ウチには無理だ」と絶望するのは当然です。 しかし、貴社が本当に解決したい課題は、そんな「壮大な話」でしょうか?

  • 「紙ベースの受発注を何とかしたい」
  • 「あのベテランの『勘』を若手に継承したい」
  • 「在庫管理のムダをなくしたい」

といった、極めて具体的で地道な**「部分最適化」ではないでしょうか。 その「部分最適化」を、「億単位の投資」と無意識に比較してしまうこと。それこそが、社長を縛る「DXの呪縛」**の正体です。

衝撃の事実:中小企業のDX、8割が「300万円未満」

では、「現実」のDXはいくらで実行されているのでしょうか? ある調査データ(※)が、社長様の「不安」を根底から覆す、衝撃的な事実を明らかにしています。 (※ サクサホールディングス株式会社「中小企業のDX推進に関する調査」

事実①:投資額は「100万円未満」が主流

DX施策に年間いくら費用がかかりましたか?」という質問に対し、

  • 「100万円未満」: 50.8%(過半数)
  • 「300万円未満」: 77.9%(約8割)

「億単位」どころか、現実のDXは「100万円」からスタートするのが主流です。

事実②:実行した社長の「9割」がROIに満足

さらに重要なデータです。その「少額投資」を実行した経営者に「費用対効果」を尋ねたところ、

  • 合計 88.1% が「適正」または「高い」と回答

いかがでしょうか。 社長様が「ハイリスクだ」と恐れていたDXの現実は、「ローリスク・適正リターン」の、極めて健全な経営活動だったのです。 「ROI不安」とは、実行前の“想像上”の不安でしかありません。

「100万円」のDXとは何か?

では、その「100万円のDX」とは何でしょうか? それは、AIやIoTではありません。

  • 従業員5名のニット工場が、「ノーコード」ツールで生産管理アプリを自作した。
  • 従業員10名の旗屋が、営業プロセスを「データベース」で一元化した。

これこそが、中小企業が本当に参照すべき「DX」です。

本当の「失敗」は「技術」ではなく「経営」にある

データを見ても、まだ不安ですか? 「100万円でも、失敗したら意味がない」 その通りです。

以前の記事なぜDXは失敗する?よくある導入の落とし穴では、失敗に共通する根本的な要因を「①目的があいまい」「②ルールがない」「③人任せ」だと解説しました。

では、その「根本要因」が、中小企業の経営現場において、具体的にどのような「社長の行動(=失敗の型)」として現れるのでしょうか。

もし社長様が、以下の「3つの行動」に心当たりがあるなら、それはDX失敗の明確なサインです。

中小企業DX「3大失敗」の型(行動編)

  1. 「目的があいまい」なまま、社員に「丸投げ」する(=「人任せ」の典型例) 社長自身がビジョンを示さず、「ITに詳しそうだから」と特定社員にDX推進を“タスク”として押し付ける。
  2. 「目的があいまい」なまま、ベンダーに「外注」する(=「人任せ」の別パターン) 自社の課題が未定義のまま「DXやりたい」と丸投げし、現場が使えない高価なシステムだけが納品される。
  3. 「目的があいまい」なまま、安易に「DX人材」を採用しようとする(=「人任せ」の思考停止) 自社で育てる覚悟を決めず、「スーパーマン」を外部から採用すれば解決すると思ってしまう。

「情報の壁」を超え、今すぐ始めるべきこと

「情報の壁」に惑わされ、想像上のROI不安に怯え、行動を止めていることこそが、現代における最大の経営リスクです。 社長様が今すぐ始めるべきは、AIの勉強ではありません。

  • 「大手企業の事例(What)」を捨てる。 AIやIoTという「手段」から入るのを、今すぐやめてください。
  • 「自社の課題(Why)」から始める。 「どの業務が、一番儲かっていないか?」「どの紙が、一番ムダか?」を特定してください。
  • 「100万円」で解決できる最大の課題を探す。 「ローリスク・適正リターン」の現実を直視し、スモールスタートを切ってください。
  • 「丸投げ」をやめる。 DXは「経営」です。社長自身が「ウチはこう変わる」と覚悟を決め、現場の抵抗と向き合い、全社を巻き込むことこそが、成功の絶対条件です。

DX推進でお困りの社長様へ

「ウチの課題は、100万円で解決できるだろうか?」 「現場が抵抗するのを、どう説得ばいい?」 「『丸投げ』ではなく『伴走』してくれる相手が欲しい」

KSP総合研究所では、社長様の「ビジョン」と現場の「お困り事」を繋ぎ、貴社に眠る「宝」を見つけるための伴走型DX支援を行っています。 まずは貴社の「お困り事」を、私たちに聞かせていただけませんか。


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